2016年3月7日月曜日

マチスモ(machismo)

ラテンアメリカ社会で「マチスモ」と言えば一般的に「男尊女卑」とか「男性優位」とかの概念を指しますが、ペルー人の友人(男性)と話していて、どうも私の持っている「男性優位」の概念とずれているな~と感じることがありました。

共通する部分も確かにあります。
家事・育児は女がするものだ、とか、仕事でも男性向き・女性向の仕事があると思っている、とか。
ひどい時はDVも。

でもペルーでは「女性は弱いもの=守ってあげるもの」と考えるため、大切に扱ってくれます。いわゆる「レディファースト」は当たり前ですね。道を歩くときも必ず女性を内側にしますし、夜道を歩くときは横に並ぶか女性に前を歩かせるかして、絶対後ろを歩かせません。何かあっても大丈夫なように必ず視界に入れます。
もちろん女性を自分の持ち物のようには扱いませんし、自分より地位が下とも思っていません。夫婦間で何かあれば、「話し合い」で解決します。

今はだいぶ変わってきていますが、私の持っている日本の男性優位の概念は、一昔前の日本のイメージです。男性が女性を自分より下、自分の持ち物として扱い、自分が一番上に君臨して全てを決める。「女は3歩下がってついてこい」、女性が意見なんぞいえば「おれに口答えするな!言うことを聞け!」と命令する。とにかく男性だっていうだけでエラそう。
(※あくまで私個人の持っている概念です)

友人に「謙遜」のことを伝えたくて「日本ではよその人に自分の家族(特に妻)がほめられたとき、例えどんなに素晴らしい奥さんでも『いやいや、愚妻でね。何やらせてもダメ』なんて言い方をする時があるよ。今はずいぶん変わってきているけど、素直に『妻は本当に素晴らしい』とべた褒めすることはないな~。」と言いました。

それを聞いた友人「なんで思ってもいないことを言うんだ。うそつきじゃないか。」と。

まあ、そ、そうですね。ごもっとも。

そして「もし本当に何もできない妻だとしても、そんな家庭内の問題(つまり恥)をよその人に話すなんて意味が分からない。ここでは家庭内のことは家庭内で解決して、外には出さない。もし相談されても、話を聞くだけで何もしない、というか、他人には何もできない。そうじゃないか?」と。

それも、たしかにごもっとも。

そして「子供が小さい時から、父親が他の人に母親のことを悪く言うのを聞いて育つのか?もし自分だったら父親がそんなこと言っているのを聞いたら殺すね。そしてそれがうそ(つまり本音じゃない)とわかったら、2度殺すね。」と言っていました。

ラテンアメリカの人は、本当にみんなお母さん大事、大好きですからね。
お父さんがお母さんを、お父さんが守るべき人を、子どもである自分が大好きな人を、そんな風に扱っていたら許せないそうです。

私はなんとか日本には「ウチ」と「ソト」という概念があって、例えば自分が褒められても謙遜するのと同じように、家族が褒められていも謙遜するんだよ、ということを伝えようとしたのですが、やっぱりわかってもらえませんでした。
家族であっても個人個人違うのに、なぜ自分と同じように謙遜したり低めたりするのか理解できない、と言っていました。

異文化理解の難しいところは、こういうところですね。
自文化にない概念を理解するのが、本当に難しい。

ずいぶん話はとんでしまいましたが、今日は同じ「マチスモ(男性優位)」でも文化が変われば概念も変わる、というお話でした。
こういうのをきちんとスペイン語で説明できるようになりたいものです。






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